うつわと喫茶の店、小星が営業を開始して、7日が経過しました。
間に合っていなかった看板を作ったり、メニューの内容も若干変わったりしながら、
あわただしくあっという間の、楽しい7日間でした。

そんなある日の、ランチのお客様も一段落してのんびりした昼下がり。
もうしばらくお客さんも来なそうだし、よしローストポークの仕込みしよ、
と豚肩ロースブロック肉をフライパンでじゅうじゅうあぶっていると。

「あ、松本さんだよ」と嫁さんの声です。えっ？

あわててデッキに出ると、ギャラリーうつわノートの松本さんが、
奥様で陶芸家の長峰菜穂子さんといっしょにお見えでぎゃー。

駆け出しの、うつわも扱う喫茶店に、ふいの松本さん来訪。

… 河川敷の草野球を、王貞治が眺めに来たようなものです！
… 二次会のカラオケボックスに、美空ひばりが立っていた！
… 長州小力のライヴに、長州力がってもういいか。

いまさら僕のようなものがご紹介するまでもないのですが。

埼玉県川越市、有名な喜多院のすぐ近くにある「ギャラリーうつわノート」は、
築80年になる洋館を改装して、2011年に開設されたギャラリーです。
現代作家のうつわや古い陶磁器を中心に、店主の松本さんの眼で選ばれたモノを紹介されています。
洋間や和室、草木の豊かに茂るお庭もあり、それぞれの空間に合わせて美しく配置されたうつわを、
ヨーロッパアンティークや日本の古道具などの什器とともに、楽しく眺めることができます。
静かで、ゆったりとしていて。日常とは少し違った時間の流れている。
うつわ好きにとって、そんな特別な場所なんです。

そのオーナーである松本さんは、僕が店を開くにあたって、すごくお世話になった方でして。
一介の客でしかない僕に、作家さんを紹介してくださったり、うつわに関する知識を教えてくれたり。
一方的にですが、先生！とかアニキ！とかお呼びしたいような方なわけでして。

そんなわけで、松本さんがいらしたら、ああもしよう、これを言おう、あれをお見せしよう…
僕がひとりで得意になって妄想してたことは、結局一割ほども実現しませんでした。

ご注文を伺います。緊張で手が震えます。
大人になって、あんなにてんぱったこと、あまりなかったなあ。
しかし僕はここで腹をくくりました。とにかく、今出せるベストを尽くそう。
落ち着け、俺。よし、大丈夫、俺。人生はこういうもんだ。やるんだ。

気分だけはそんな感じで。
実際はたぶん無駄な動き満載で、ガクガクとぎこちなく涙目で
たどたどシックにフル空回りな僕に、松本さんと奥さんはニコニコと接してくださいました。
オープンおめでとうございます、とやさしく言ってくださいました。

ありがとうございました。すみませんでした。
次はもう少し、良い店となった小星でお迎えします！


いつだってベストを出せる状態でいる、ということは、何の商売でも大事なこと。
お相手が誰であろうと、100%の力で向き合い、おもてなしをする。
それができる状態で、常に営業しているということ。
これからも、このことを肝に銘じたいと思います。

えとなんか反省文みたいな記事になってしまいましたが、
小星は気軽に来れて店主の軽妙なトークも楽しいお店です。
かっこいい器も取り揃えております。

お近くにお越しの際はぜひ！




ギャラリー うつわノート

埼玉県川越市小仙波町1-7-6
http://utsuwa-note.com/

ブログ
http://utsuwanote.exblog.jp/


長峰菜穂子さん HP
http://senrowaki.com/nao.html